2023-11-04 その他 執筆者:kou

5.合格体験記-中編-【kou】

ここまで読んでいただき
ありがとうございます。

この回では、本試験前日から
当日3日間のことを書きたいと思います。
これから受験される方の参考になれば
うれしく思います。

<目次>

1.本試験前日(2023.8.4)
2.本試験1日目(2023.8.5)
3.本試験2日目(2023.8.6)
4.本試験3日目(2023.8.7)

【1. 本試験前日(2023.8.4)】

私は東京会場(TOC有明)で受験しました。

昨年も同様ですが、TOC有明の目の前にある
相鉄グランドフレッサイン東京ベイ有明に
宿泊しました。

●ホテル泊のすすめ

私は試験会場まで1時間ほどのところに
住んでいるので、ホテルを取らなくても通えました。

しかし絶対にホテルに泊まることをおすすめします。
そして、このホテルに泊まった恩恵を
大いに受けました。

・身体の疲労回復
 論文式試験は例年8月の第1土日月という真夏に、
 実施されます。

 外を歩くだけでも体力を奪われますが、
 3日間計12時間に亘って試験を受けるというのは
 想像を絶するほど、疲労します。
 移動時間極力少なくして
 体力温存するというのは重要です。

 

・試験当日の昼休みに帰宅して、気分転換できる
 私は3日間、午前の科目が終わったら、
 ホテルに戻ってました。

 そこで、ゆったり昼ごはんを食べ
 音楽を流し、用を済ませ、ベッドに横になって
 体力回復させながら、次の科目の確認してました。
 これは本当に良い作戦でした。
 私と同じように試験会場からホテルに戻ってる人、
 結構多かったです。

・交通機関のトラブルを心配しなくていい

 私は心配性なので無用な心配せずにすみました。
 そして、R5の本試験2日目のちょうど8時くらいに
 りんかい線が信号トラブルで止まりました。

 会計学の試験開始直前に到着している人や
 遅れて着席してる人もいました。
 私なら動揺して、平常心で臨めなかったと思います。
 ぜひホテル泊をおすすめします。

●前日の心構え

 前日は夕方くらいまで、民法・経済学に
 時間をかけつつ全科目重要な所を確認してました。

 大前提として、前日と本試験期間中は、
 緊張と頭の疲労で勉強できるとは思わない方が
 いいです。
 軽く流し見して、確認するという感じです。

 私は3回目の受験でしたがそれでも前日は
 緊張しました。
 18時くらいに勉強はピタッとやめて、
 あとはリラックスして安眠できるように
 心を整えようと思ってました。

 ちょっとやりすぎてしまいましたが、
 ホテルに戻って野球をみながらお酒をのんで、
 心を整えました。でも、さすがに緊張で
 なかなか眠れませんでした。
 浅い眠りで、朝までに1時間ごとに
 目覚めてしまいました。

【2.本試験1日目(2023.8.5)】

・1日目の朝

当日の朝は、3時間も眠れませんでしたが、
緊張と興奮とで、アドレナリン出まくってました。
ここのホテルの朝食はとてもおいしいです。

朝食会場に行ったらTACで見たことある人や
テキストを読んでる人がいていよいよだなと感じました。

私の部屋はTOC有明側の部屋だったので、
窓を開けたら会場真正面でした。
9時が過ぎ、受験生がぞくぞく入ってくのを
窓から確認して、私も会場に向かいました。

・民法の開始前

私はホテルで出発前ぎりぎりまで勉強し、
試験会場についたら心を整えるのが
大事だと思っていたので、
テキスト類は会場にはもっていきませんでした。

そしてテキストよりも、受験票の次に大事だったのは、
[上から羽織る上着]です。

これはTOC有明EASTホールで受けた方には
共感してもらえると思いますが、南極かと思うくらい、
ほんと、極寒でした。

TACの自習室もわりと寒くて、
普段から上着をきて勉強していました。
試験会場にも普段着てるのを
もっていってよかったです。
真夏の格好で臨んだら、震えてるところでした。

・民法の試験

試験問題が配られました。
表紙には注意事項が書いてありますが、
中身が透けて見えるところもあります。

これは賛否両論あるかと思いますが
私は透けて見えるところは
どんな内容なのか読み取ってました。

理由としては、
開始までに出題分野が予想できれば、
主要論点と書くべき内容を
整理できるのと、開始前も開始後も
いずれにせよ予想外の出題だと
焦るのに変わりはないと思ったからです。

すると[110条の条文と、婚姻]と
みえたので、代理の分野で、
日常家事代理権の話かなと推測出来ました。

昨年の過去問を分析して
口語体のクセ強問題の方はあとから解こうと
決めてたので、問題1から解きました。

予想通り、典型論点がストレートに
問われたので、自信をもって書けました。
日常家事代理権は不動産鑑定士の民法で
過去一度も出題されておらず、
講師は出る可能性は低いと
言ってましたが、昨年の反省を踏まえて、
書き負けない程度には、
内容を確認していたのでなんとか書けました。

問題2は借地借家法からの出題で
条文当てはめの問題だったので
なかなか答案構成がまとまりまらず、
かなり焦りました。
何度か読み返していくうちに
問題文中の借地期間20年が実はトラップで、
条文から30年が有効で、
この設定がそもそも無効ということに
気づき命拾いしました。

・経済学の試験

問題が配られ、
[資本K労働力L]とみえて震えました。
やばいコブダグラス型関数のところは
全く記憶になく、
予想外分野からの出題と青ざめました。

[問題2 海外の経済]と見えたので、
IS-LM-BP分析だなと直感しました。

TACの答練では国際マクロは
全然出題されていませんでしたが、
LECの森田先生のXで開放経済が危ないと
発信されているのをみて、一応内容は確認していました。

マクロは前年のこともあり難問が予想されたので、
ミクロから解こうと決めてました。

問題1(1)の生産者の理論は何一つわからず、
問題文に書いてあることをぞって書いたくらいで、
ほぼ白紙でした。

(2)は出題が予想されていた外部性でした。
外部性が出たらコースの定理の記述はあると
思ってたので、そこは完璧に書けました。

しかし、普段解いている答練の外部性と
毛色が違う問題で、数10分もがきましたが、
なかなか解答を導けません。

一旦落ち着いて考え直すと、
上級答練でベルトラン・モデルと
クール・ノーモデルをやってました。

私はベルトラン・モデルの出題が高いと
踏んでいたので、そこで偏微分を使っていたのを
思い出しました。
試しに問題文の数式を偏微分してみると
きれいな数字になったので、
もうこれでいいやということにしました。

ミクロで必要以上に時間をつかってしまって、
残り55分くらいでマクロに突入です。

マクロは昨年、絶望するほど
何もわからなかったので、身構えてましたが
試験委員の特徴を抑えていたので、
穴埋めも全部できました。

IS-LM-BP分析のグラフも
何度も書いて練習してたので、
マクロはわりと手応えありました。

・試験後

終わった科目のことは
振り返らない方がいいです。

試験会場を出るときに、
「民法は結構できたな、経済学は出来てないけど、みんなそれほど出来てないだろ」
という感触でした。

初日は緊張と睡眠不足で試験終了後、
とてつもない疲労度でした。

それに加えて、翌日が会計学と鑑定理論という
暗記偏重科目です。
翌日の確認もしなきゃいけません。

1日目の夜が一番きつかったです。
ホテルに戻って休息しました。
変な時間に眠ってしまいそうだったので、
外に出て、有明の海をみながら
基準暗唱してました。

そしたら、同じように
ウォーキング基準暗唱してる人がいて、
勇気づけられました。
この日もお酒を飲んで、ばたっと寝ました。
初日の緊張感も和らぎ、
極限に体が疲れていたこともあり
この日はわりと眠れました。


【3.本試験2日目(2023.8.6)】

・会計学の試験

問題が配られ、[棚卸資産、資産除去債務]と
透けていました。

問題1の棚卸資産は2年前のR3にも
同じような論点が出題されています。
昨年までの自分だったら、
こんな直近に出てるならどうせ出ないだろといって
捨ててたと思います。

私は去年の反省をいかして
棚卸資産も一応うすめに勉強はしていました。
それもあり穴埋めは4/5書けました。

他の記述はそれっぽいことを
書いてなんとか食らいつきました。

問題2は資産除去債務でした。
個人的に出そうだなと感じて
かなり厚めに勉強していました。
そしてこれはかなり書けました。

確かに、2023年目標の
TACのテキストや答練には
本試験で出た内容は載っていません。
私は多浪生で2021,22の合格目標の
答練も保存していました。

すると、2021年直前答練①と
2022年直前答練②、
2023年上級テキストの「過去の出題」に
平成24年の問題が載っていました。

私はサブノートにその内容も集めて
全部暗記していたので、穴埋め以外は
かなり書けました。
(じゃあ2023年合格目標でも答練でその内容だせよと、私が現役生だったら言いたくなります。結果的に、ここで差をつけられたので、運も味方してくれました)

・鑑定理論(論文)

問題が配られ、[個別的要因、土壌汚染]と
透けていました。

問題1は建物の個別的要因に関する問題でした。
講師もヤマのひとつといっていたので、
ここはかなりマークして用意していました。
ここは結構書けた印象です。

問題2は土地の個別的要因から
土壌汚染や条件設定に関する問題でした。
ここは予想外でした。

条件設定はR2にも出てるし
問題1で個別的要因きいてるのに
問題2も個別的要因!?と
ちょっとペースを乱されました。

私は個別的要因の問題が出たら、
まず価格形成要因の定義(前文)を
書いて、個別的要因の定義を書いています。

問題1は普段通りその書き出し方にしました。
しかし問題2も個別的要因だったので
動揺して、普段なら絶対にその書き方で書くと
決めているのに、その2文を
書き忘れてしまいました。
模範解答を見たら、問題1・問題2ともに
全く同じ書き出しだったので、
やってしまったなと思いました。
本試験では予想外なことが起こります。
落ち着いて解答しましょう。

・試験後

会計学は差つけられたな、鑑定理論はそんなには
出来てないなぁという感触でした。

少し休んで基準の暗唱しました。
初日は総論3章と5章中心に出ましたが、
私は初日にでた箇所は見ないようにしました。

自分が書けてないのがわかって
精神衛生上良くないと思ったので、
総論6章以降中心に要注意論点の定義や
基準・留意事項を暗唱しました。
この日もお酒を飲んで、ばたっと寝ました。

【4.本試験3日目(2023.8.7)】

・鑑定理論の問題が配られ、
[近隣地域、利回り法]と透けていました。

問題3は近隣地域にスポットを当てた問題でした。
総論6章の地域分析はちょっと意外な出題でした。

小問(1)は
「近隣地域の定義を述べなさい。」
というシンプルな問題でした。

答案構成は、マスター問題集を
10周したので悩むことは基本ありません。

順調に答案構成通りに地域分析の定義から
書き始めていきましたが、
肝心の近隣地域の定義が、
どうにもこうにも出てこなくなりました。

私は基準(重要フレーズ含む)の
85%くらいは暗記して臨み、
普段の答練では基準の文言に忠実に、
基本的にはすらすらと出てくるレベルにまで
持っていきました。

しかし、本試験では普段言えるはずの
定義すら出てこなくなったり、
自分で決めた答案構成のルールを
破ってしまったり、通常だとありえないことが
多く起こりました。
本試験では、普段通りにはいかないと
思っといた方がいいです。

問題4は継続賃料でした。
継続賃料はずっと出る出る言われていたので、
かなり厚めに勉強してました。
ここはかなり書けました。

・演習

演習は一部自用の貸家及びその敷地で
原価法と収益還元法(直接還元法)でした。

類型も特殊ではないし、仕込みの段階だと
完答した上で高得点勝負になる?
という印象でした。

しかし、解いてみると初見の論点が
各所に盛り込まれているし事例の選択は迷わせるし
随所にミスを誘うトラップは仕組まれてるし
何より解答用紙の枠が小さいしわかりづらいしで
大苦戦しました。

途中で完答は無理だなと悟り、
わからないところは飛ばして
部分点をかき集める作戦に変更しました。
結局、収益還元法の
運営費用の途中で力尽きました。。。

・試験後

鑑定理論と演習の出来が微妙で、
民法と会計学で取れてればなんとか
滑り込めたかなくらいの手ごたえでした。

その日の夜は妻と飲みに行き、カラオケ行き、
試験をやりきったことを嚙み締めました…。

NEXT… 6.合格体験記-後編-