
今回は不動産鑑定士試験のメイン科目である
鑑定理論について、勉強法を書きます。
意外と私の投稿を読んでくれている人が
いるみたいでうれしいです。
<目次>
1.はじめに
2.使用教材
3.基礎期(基本講義~応用答練開始前)
4.応用期(応用答練開始~直前答練開始前)
5.直前期(直前答練開始~本試験)
6.本試験で意識していたこと
【1.はじめに】
鑑定理論の特徴としては、
・圧倒的な暗記量が必要
・得点が他の科目の2倍(200点)
・短答でも論文でも出る科目
といったことがあります。
私は正直なところ、鑑定理論は
そこまで得意にはできませんでした。
答練や模試では6割~7割弱の得点でした。
【2.使用教材】
・不動産鑑定評価基準 小冊子
・論文特攻ゼミ マスター問題集
(2021年合格目標 2023年合格目標)
・応用答練、直前答練、上級答練
・TAC全国模試
・アクセスα・β
基準小冊子は基準の暗記に、
マスター問題集は答案構成の練習に、
答練とアクセスはアウトプットに使用しました。
【3.基礎期(基本講義~応用答練開始前)】
①基本講義受講
基本講義は高橋先生の授業を受けていました。
私は不動産屋なので、鑑定理論の内容を理解するのに
苦労はしなかったです。
まずは暗記しようとは思わず、理解重視で講義を消化していきました。
②基準の暗記方法
不動産鑑定士試験に合格するうえで、基準の暗記は
絶対に避けては通れないです。
私は真正面からゴリゴリに暗記しました。
てにをは含めて、基準の原文通りに暗記していきました。
最終的には、下記のCランク箇所以外、
基準に載ってない重要フレーズ含めると
85%くらいの暗記精度だったかと思います。
[1.暗記しなかったCランク箇所]
区分地上権、農地・林地、近隣地域の地域分析の留意事項、ホスコルド式、借入償還余裕率の活用、関与不動産鑑定士の留意事項、借家権、各論3章の留意事項
※借家権はマスター問題集に掲載されて、全国模試でも出題されたので、概要はおさえました。
[2.暗記方法]
私の基準の暗記方法は、音読+暗唱です。
答練以外は答案も書いていません。
具体的には以下の通りです。
最有効使用の原則を例にします。
Ⅳ.最有効使用の原則
①不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用(以下「最有効使用という。)を前提として把握される価格を標準として形成される。②この場合の最有効使用は、現実の社会経済情勢の下で客観的にみて、良識と通常の使用能力を持つ人による合理的かつ合法的な最高最善の使用方法に基づくものである。
まずは①の部分について、
1回目:①の太字部分を音読します。
2回目:次に①の太字部分を出来る限りで暗唱します。
次に、②の部分についても同様に、
①不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用(以下「最有効使用という。)を前提として把握される価格を標準として形成される。②この場合の最有効使用は、現実の社会経済情勢の下で客観的にみて、良識と通常の使用能力を持つ人による合理的かつ合法的な最高最善の使用方法に基づくものである。
1回目:②の太字部分を音読します。
2回目:次に②の太字部分を出来る限りで暗唱します。
最後に①②をあわせて
①不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用(以下「最有効使用という。)を前提として把握される価格を標準として形成される。②この場合の最有効使用は、現実の社会経済情勢の下で客観的にみて、良識と通常の使用能力を持つ人による合理的かつ合法的な最高最善の使用方法に基づくものである。
①②をあわせて、全体を出来る限りで暗唱します。
つまり、意味のまとまりごとに、基準の文章を3回読み、
音読と暗唱を繰り返していきました。
[3.音読の順番]
・基準の各章を次のように10個に区切って
1日1まとまり、10日間で一周していました。
①1章、4章
②2章、3章
③6章
④5章
⑤7章.取引事例比較法まで
⑥7章.収益還元法
⑦各論1章
⑧5章の賃料、7章の賃料、各論2章
⑨各論3章
⑩8章、9章
・慣れてきたら、次のように再編して
7日間で一周してました
①8章、9章、1章、4章、2章
②3章、6章
③5章
④7章.取引事例比較法まで
⑤7章.収益還元法
⑥各論1章
⑦5章の賃料、7章の賃料、各論2章、各論3章
[4.情報の一元化]
私は手のひらサイズの基準小冊子に、答練でよく出てくるフレーズを書き込んだり、要注意論点は答練を60%に縮小コピーして、該当ページに貼り付けて、それもあわせて暗記しました。
なので、基本テキストは授業で使用して、1回見ただけでほとんど使用していません。この基準小冊子にすべて集約しました。
どこへ行くにもこれを持ち歩き、公園、家の近く、電車の中、お風呂の中、ありとあらゆる場所で基準を開きました。財布を落とすより、基準を失くした方が嫌だなと思うくらい愛着がわきました。




【4.応用期(応用答練開始~直前答練開始前)】
①答案構成の練習
私はマスター問題集一冊に絞って、答案構成の練習をしました。
答練やアクセスは、アウトプットの練習やあやふやな
箇所を認識するために、使っていました。
答案構成の練習は12月から開始しました。
最初は、骨子を箇条書きして、答案も書いていましたが
時間がかかりすぎるので、答練以外は書いていません。
最終的には、答案構成(骨子作成)5分、
解答例の読み込み10分で1問15分くらいで回していきました。
②マスター問題集について
マスター問題集は論文特攻ゼミというオプション講座の教材です。この講座は例年、4月に開校されるので、マスター問題集が手に入るのは4月になってからです。
はっきりいって、これでは遅すぎます。答案構成はマスター問題集だけやっておけば、過去問やる必要もないです。私は、メルカリで2021年目標のマスター問題集を手に入れて、12~3月末で5周しました。
2023年4月には正規で特攻ゼミを受けて、
2023年目標のマスター問題集を本試験までに
5周しました。あわせて10周したら答案構成で
悩むことはほぼなかったです。
・特攻ゼミは要点整理の講義や高橋先生の出題予想も、もちろん有意義ですが、マスター問題集にこそ価値があります。
2023年は問題の大幅な入れ替えがされ、2024年目標でも十分に使用できる内容です。
2023.11.8時点では、期間限定で本年度の特攻ゼミの申込ができます。検討する価値はあると思います。
・今年の合格者の方に話をきいても、2022年目標のを入手して今年のは受けずに合格した方もいました。
【5.直前期(直前答練開始~本試験)】
直前期は基準を1週間で回しつつ、
マスター問題集を毎日7,8問 答案構成していました。
マスター問題集の基礎問題編40問と応用問題編A40問の計80問、重要箇所の答練を論点別に整理して、ひたすら回していきました。

【6.本試験で意識していたこと】
・分量を書く(最低1枚半以上)
私はわりと小さ目の文字で、関連論点や補足事項も書いて分量出してました。
(もちろん聞かれた問いに答えたうえで)
髙橋先生が高得点と6割くらいの答案の差は、分量の差といっていたので、とにかく8割くらいは答案用紙をうめようと意識していました。
・問題文に蛍光ペンをひく
R5[問題4]を例にすると、問題文に、
「継続中の建物及びその敷地(商業地域内のスケルトン貸しの店舗用ビル)」とあります。私はこの太字部分にマーカーを引いていました。
問題を読めばわかりますが、この太字部分を考慮して問題に解答する必要があり、それこそが作問者の意図です。論文式試験は単に自分の知識をひけらかす場ではなく、作問者との対話です。
解答していくと、この注意書きを忘れます。しかしマーカーを引くことで、都度意識するので、書きミスが減りました。
・定義やフレーズをド忘れしても焦らず、呼び起こす
とにかく本試験では予期せぬことが起こります。
R5の問題3(1)は「近隣地域の定義を述べなさい。」という問題でしたが、肝心な近隣地域の定義がぶっとんで、冷や汗だらだらになりました。
また、「均衡の原則」を「適応の原則」と書いたり、信じられないようなミスもしてしまいました。暗記精度85%でもこんなことが起こります。基準はできるだけ正確に引き出せるようにした方がいいです。
何か質問があればコメントいただければと
思います。
鍵アカですが、Xにもいますので、何かあれば
DMお待ちしております。
@k0o0ou