【民法】最大の誤算と再構築:高得点への執着が招いた「初日の迷走」
教養科目の中で最も時間を割き、万全を期したはずの民法。しかし、結果は平均点付近の54点。合格した今だからこそ断言できます。私の敗因は「知識不足」ではなく、「民法へのアプローチの根本的なミス」にありました。
1. 「論証の貼り付け」という呪縛
当初、私は『こう書け!民法』を完璧に仕上げ、1日3論点をゼロから書き出せるまで追い込んでいました。
- 徹底した暗記: 定義は一言一句、論証は図解してイメージまで固める。「これを書けば勝てる」という強力な武器を作ったつもりでした。
- 誤った目標設定: 「民法で稼いでやる」という高得点への欲が、本番で自分を苦しめることになります。
2. 試験初日の魔物:短距離走直後のマラソン
本番当日、緊張感はピークに達していました。鑑定士試験のスケジュールは過酷です。短答を突破した熱狂が冷めやらぬまま、すぐに論文の舞台に立たされる。前日の寝不足と相まって、その感覚は、まさに「短距離走を全力で走り終えた直後に、そのままマラソン大会のスタートラインに立たされた」ような圧倒的な疲労感とプレッシャーでした。
- パニックの引き金: 目の前の問題に対し、用意していたはずの論証が頭から消え、「高得点を取らなければ」という焦りだけが空回りしました。
- 最大のミス: 本来なら条文をそのまま適用して素直に答えれば合格点が取れる問題だったにもかかわらず、無理に覚えた論証を吐き出そうとして、民法へのアプローチを完全に見誤ってしまったのです。
3. 次に受ける人へ:合格ラインへの「正しい」歩き方
私の失敗を繰り返さないために、今の試験傾向に照らした戦略を伝えます。
- 高得点を目指さない: 民法で突き抜ける必要はありません。本番は「問題文に素直に答える」こと。それだけで十分合格ラインに届きます。
- 条文を起点にする: 論証を思い出す前に、まずは条文を開く。最近の傾向は現場思考型です。論証の精度を極限まで上げる時間があるなら、条文から解答を形成するトレーニングに充てるべきです。
- 暗記は「理解」の補助: 丸暗記に頼りすぎると、本番でド忘れした瞬間に崩壊します。理解を優先し、定義以外は「自分の言葉」で構成できる柔軟性を養ってください。
最後に
初日の一発目は、誰だって震えるほど緊張します。しかし、そこであなたを救うのは「完璧に覚えた論証」ではなく、「条文を武器に、泥臭く問いに答える冷静さ」です。高得点という幻を追わず、一歩ずつ確実に解答を積み上げてください。